出来上がりまでの工程
一枚のペルシャ絨毯が、出来上がるまでには様々な工程が、其々の職人によって行われ、一枚の絨毯にしあがります。
1
先ず基本と成るデザインを考える
2
デザインの色数分の汚糸を準備します
3
デザインを見ながら織っていきます
4
織り終わった物の洗い
5
天日干し
6
毛足を均等になる様、削っていく
7
全体の型を整える
8
アイロン掛け
9
エッジ(左右両端部)、房の処理
10
完成
主だった工程だけでも上記の通り様々な過程を経て一枚の絨毯が、出来上がります。
シルクの玄関マットサイズの絨毯でも、仕上がるまでに、1年前後の時間が掛かります。
デザイン
①
先ず基本となるデザインを考えます。
下絵を準備し基本と成るデザイン方眼の一マスが一つの結び目になる様絵を書きます。
色糸準備
②
染色された糸です。染めの回数は3回以上。
時間をかけた丁寧な作業によって、糸に独自の光沢と深みを与えます。
染色には大自然の恵みとも言える天然素材を使用し、独特の美しい色を表現しています。
近年は、安定して鮮やかな色合いを出すことができる科学染料が主流となっています。
織り
③
作り始めの最初は先ず、織機に有る上と下の丸い棒に縦糸を張っていきます。
張る縦糸の本数や、長さは、作る絨毯の大きさや、細かさによって決まります。
素材として、シルク、ウール、コットンが有ります。
絨毯作りの基礎に成る糸で、この糸にパイルを結ぶ事で絨毯が出来ています。
絨毯の上下に付いている房は縦糸を綺麗にレイアウトしたものです。
デザインを見ながら1日3~5ミリ程のスピードで織っていきます
洗い
④
織りの終わった絨毯の仕上げは、洗うことから作業が始まる。
洗面器に泡立てた洗剤をブラシにつけ、絨毯の裏面のみを洗う。
天日干し
⑤
洗った絨毯を天日干しします。
裁断、削り
⑥
乾いた絨毯を工房内に入れ、バーナーを使って裏面の産毛を焼いたあと、
刃先のひろい半円形の刃物で表面を削っていく。
はじめに少し水をつけた固形石鹸で絨毯の表面をこする。
その上を湿らせたブラシでブラシ掛けし、その後、刃物で削っていく。
最後に絨毯を使って削ると、削ったあとはみちがえるように輝いてくる。
全体の型を整える
⑦
削り終わると、絨毯が方形になるようにペンチや器具を使って絨毯を引っ張り、釘で板の間に打ち付ける。
絨毯がしっかりととまるように、釘は最後まで打ち込まず、途中から曲げる。
こうしておくと釘を抜くときも抜きやすい。
アイロン掛け
⑧
2、3日後、釘を抜き、アイロンをかける。
重さ10キロぐらいの金属のかたまりをバーナーで熱して、絨毯の上をすべらせる。
これで、釘の跡も目立たなくなる。
このあと、房を結んで仕上げは終わる。
エッジ(左右両端部)、房の処理
⑨
絨毯がほどけて来ないように縦糸を絨毯の際で結んだり、エッジの縦糸に糸を巻きつけたりと、根気の要る作業が黙々と続けられます。
最後に房を結び、最終チェックを済ませます。
完成
⑩
この様に機の遠くなる様な作業のくり返しで作られるペルシャ絨毯は、織の工程だけでも、サイズによりますが、1日数ミリ程しか織り進むことが出来ません。
その為1枚の絨毯が織り上がるまでには、サイズや目の細かさにより其々違いますが、半年から3年近くの時間がかかりペルシャ絨毯の製作工程の中で最も時間の掛かる工程です。
1人で織ることの出来るサイズは、概ね織り子さんの肩幅位になりますので、大きな絨毯の場合、織り子さんが横に並んで何人もで、1枚の絨毯を織っていきます。